化粧品原価の裏側
更新日:8月13日
化粧品は、ぼったくりという話を聞いたことがあるかもしれません。
化粧品は原材料費が安く、利益がたくさん出ると思われているからです。
一口に原価といっても、原材料費、労務費、経費、販管費があるのですが、私たちが気になる原材料費がどれくらいなのか?をお伝えしたいと思います。
日本トップの化粧品メーカー・資生堂グループの2021年の有価証券報告書を見てみましょう。
資生堂は、コロナ化の中で売上をしっかり伸ばし、売上1兆352億円。
気になる資生堂グループの製造原価率は25.4%。
この中には化粧品の原料、容器の他に、工場で働く人の人件費が含まれます。
オフィスで働く人の人件費は、また別です。
1000円の原料費(原料+容器+工場人件費)は、250円くらい。
かなり原価にコストをかけているように見えます。
残りの750円は、資生堂の利益のようで、実は、営業利益はたった4%。
つまり、1000円の化粧品を1本売って、純利益は40円。
化粧品メーカーの中では利益率がかなり低めです。
ちなみに利益率が高いコーセーの営業利益率は、8.3%。
他に、オフィスで働く人の人件費が21.3%、で213円。
広告宣伝費が29.3%、293円。
働く人に結構還元している印象です。

いかがでしょうか?
化粧品ビジネスはそんなにぼったくりの商売ではないと思います。
また、原材料費の中身は、大雑把に言うと、原料と容器に分けられます。
でも、ほとんどの化粧品の原料は、ほとんど水です。
なので、それ以外の成分にお金がかかっています。
水が多い化粧水は安い傾向にあります。
油が多いクリームは、原材料が高くなる傾向にあります。
イメージ的には、化粧水<乳液<クリームの順に値段が上がります。
さらに、美白など、有効成分原料、天然香料、植物エキスを多く配合すれば原価は上がります。
そのため、医薬部外品、天然香料は原料が高いです。
原料ごとの価格帯は、Kg単価で次の通り。
水 0円
一般的な保湿剤 ~500円
一般的な界面活性剤 ~500円
合成油 ~1000円
天然油 ~5000円
シリコーン ~5000円
植物エキス ~2万円
合成香料 ~2万円
天然香料 ~5万円
フラーレン ~50万円
ダマスクローズ精油 ~100万円
フラーレンや、ダマスクローズの香料などは、軽自動車が買えるレベル。
こぼしたら一巻の終わりですから、開発や製造現場ではヒヤヒヤです。
天然水などは、原価がかなりかかる割に、保湿効果には影響しません。
だから、使う意味はあまりないと言えます。
「天然水」という表現もブランディングの手法の1つ、雰囲気商法ですね。
実際、化粧品に落とし込んだときの値段は、私の経験ですが、原料費/Kgは次の通り。
化粧水 200円~500円
クリーム 300円~1500円
化粧水200ml、クリーム50gとした場合、
化粧水:40円~100円
クリーム:15円~75円
次に容器代は、一般的に50~300円くらい。
複雑な構造の容器、ガラス製、凝ったデザイン、多色印刷、パ━ツが多いものは高くなります。
例えば、クリームのジャ━容器は、本体、フタ、中蓋、スパチュラと、パ━ツが多いため高め。
もう、おわかりだと思いますが...。
そう、化粧品は、原料より容器が高いんです。

これは、パッケージの可愛さ、高級感など、メーカーのブランディングのためです。
それも、購入者の自己表現価値を指すなら、雰囲気商法と言えますね。
研究の世界では、モチベーションが上がる「プラセボ効果」というのもあります。
見た目や形式(デザイン)でテンションが上がれば、脳から肌へ良い影響をもたらす。
それが、自己表現価値の1つです。
例えば、「ロレックスより、ロレックスをつけている私が好き」とか。
エルメスのバーキンも、ベンツなどの自動車も、高級ブランドは自己表現価値が高いです。
この価値は、バーキンだから買う人と、バーキンを持っている私が好きだから買う人に分かれます。
スタバも同じ、スタバが好きな人と、スタバにいる私が好きな人と分かれます。
詳しくは、「それでもバーキンを買う理由」をご覧ください。
購入者自身も気づいていない「隠れた価値」を、こぶとり爺さんを例えに書いてみました。
メーカー側の容器の価値は、お客様が持つことが宣伝になるブランディング効果です。
TDLのグッズはまさにそうで、帰った後も、購入者がグッズを持つことが宣伝効果です。
みなさん、喜んで宣伝してくれていますね。
逆に、化粧品の場合、詰め替え用を作らないメーカーは、最近ほとんど見なくなりました。
もちろん、容器代(宣伝費)は、購入者負担ということを配慮された結果です。
中身より容器が高いのは、どのメーカーも同じですから、容器より詰め替えの価値は高いんです。
SDG2、環境保護の観点からも、詰め替えのないメーカーが選ばれるのは大変厳しい時代。
そのメーカーだけを取り扱う店はもっと大変でしょう。
詰め替え用ができたとき、直販型の通販にしたほうが、メーカーは得ですからね。
中身より高い宣伝費を払って、購入者が得ているのは、燃えないゴミです。
一方、TDLは、TDLという中身が高くて、宣伝に当たるグッズのほうが安い。

スタバのグッズは、コーヒー1杯より高いですが、それより日用品としての価値のほうが高い。
例えば、スタバのタンブラーをスタバに持っていけば、紙の容器代を引いてくれますし。
本質は「中身」だということを行動で示すメーカーを選ぶことは、QOLを上げてくれますね。





